George Washington Bridge
ニュージャージー州とマンハッタンの間にハドソン川があって、
マンハッタン側に行く方法として、
•ハドソン川を泳いで渡る。
無料のはずだが、実際に泳いでいる人を見ない。
•George Washington Bridgeを歩いて渡る。
無料だが渡りきるのに、25分くらいかかる。
夜は閉鎖される。
•George Washington Bridgeをバスで渡る。
1年半前までは$1.25であったのに、今では$1.75もかかる。
•フェリーで渡る。
まずは10回分の回数券$84.25を買わなくてはいけないらしい。
(まだ乗った事がないのでなんともわからないのだが。)
•車で渡る。
橋代に$8かかる。
日本のETCカードにあたるEZ Passというのを使えば、オフピーク時に$6。
(NYからNJに戻ってくる時は、無料。)
等があげられるのだが、
ニュージャージー州のGeorge Washington Bridge に割と近い所に住んでいる
私は、歩いて橋を渡ることはさほど困難な事ではないのであるが、
昼は、バスで渡り、帰りが夜遅い場合は、車で橋を渡ってきた。
ところが、つい最近になって、
カープール(乗り合い)ディスカウントというルールを知った。
車内に運転手の他に2人が乗っていれば、
橋代が$2になるというのだ。
おそらく、車の通行量を減らして、
排気ガスを抑制しようとするエコ対策なのだろう。
ニュージャージー州に引っ越して2年が過ぎたのだが、
これまで、マンハッタンに行くのに、毎回$6から$8をかけていた私にとって
このニュースは、明るい光であった。
これを知ったのは、先週、
バス停でバスを待っていた時の事。
一般車がクラクションで僕に合図してきて
何かと思って聞いてみたら、ビジネスマン風の韓国人男性運転手が
『橋渡るんでしょ。タダで乗っけてくよ。乗りな。』
というのだ。
後部座席には、南米系の老夫婦が座っていた。
助手席に乗った私は、この運転手からこの
カープールディスカウントの事を聞いたのである。
そういえば、ここ最近、バスが空いている事が多く、
$1.75を払うより、カープールする車を選ぶ人が
増えているのだろうと思った。
運転手は2人以上乗せる事で普段の$4から$6のディスカウント。
普段バスに乗る人は、$1.75のディスカウント。
皆ハッピーなのだ。
それ以来、早速、私も、マンハッタンに行く時は、
まずバス停に寄り、老若男女、
人種もよりどりみどりの見知らぬ人達を
2人から3人自分の車に載せて、普段バスが行く、
地下鉄Aトレインの駅近くで彼らを降ろし、
それから目的地まで向かうことがルーティーンになった。
見知らぬ人を自分の車に乗せる事、
(また見知らぬ車に乗る事も含めて、)
ちょっと危険といえば危険なのだが、
これまでこれといった問題はない。
皆、笑顔で乗り込んできて、
橋を渡っている最中はなんとなく無言になるのだが、
駅に着いた時は、また笑顔で
『ありがとう、よい一日を。』
と降りて行く。
安く橋を渡れるという理由だけで
実は、案外簡単に、
人類は、愛に満ちあふれた世界を
作れるのではないかと思い始めている。