2010年12月15日水曜日

ダカールツアー その6


セネガル大統領邸

この日、多くのアフリカ国の首脳が
ダカールに集まって、『The World Festival of Black Arts』の成功と
アフリカのルネサンスを謳うセレモニーがあった。


2010年は、アフリカ独立の年と呼ばれている
1960年から50年周年にあたる。
50年というのは、白人が黒人を
虐殺し、奴隷にし、植民地にしてきた時間に比べると
ほんのわずかな時間だ。
日本人として産まれてきた自分は、
こういう世界の事情に幸か不幸か非常に疎かったように思う。
SOMIと知り合って6年になるが、アフリカ諸国に連れて行ってもらい、
こういう世界の現実に自分の眼を向けさせてくれた事にとても感謝している。

ガダフィ大佐もいた!!(右下)

今回のフェスティバルで、Black Artsを謳歌する空気を浴びるたびに、
日本人として自分はどうしたものか、考えさせられるのも事実だ。
正直、今回、セネガルのローカルバンドを聞く機会があったのだが、
聞くたびに、妬ましくなる。彼らは、彼らの音楽を行っているのだ。
白人に虐げられた過去があるのに関わらず、彼らの音楽があるのだ。


日本は、邦楽というものにあまり目を向けず、
ヨーロッパ音楽を学び、アメリカポップ音楽を学び、
ラテン音楽を学んで、そこそこヨーロッパ人もアメリカ人も南米人も喜ぶほど
上手く演奏ができるようにはなるのだが、所詮、物真似大会で優勝するような
ものなのではないか。奴隷にされるほどには虐げられていない日本なのに、
何故、物真似芸に走るのであろうか。



(自分も幼少の頃にピアノを選んでしまったところで、
邦楽にあまり触れてこなかった事を今となって悔いている部分もある。)


ただ、自分は物真似芸人のコロッケが好きだ。
普通、物真似は、物真似しているオリジナルを知らないと、
似ているか似ていないかわからないので面白くないものだ。
しかし、コロッケの場合、
物真似する時の彼の視点が面白く、表現の方法が独創的なために、
おそらく、見る人は、オリジナルを知っていようが知らないようが、
コロッケを見て笑う。
コロッケ的でいけるかどうかが、日本の音楽家の道なのだろうか。

(自分も、チャーリーパーカーやジョンコルトレーンの言葉を物真似してきたのだが、
これまで、New Yorkでもなんとか生き延びてこれているのは、もしかすると、
自分はコロッケ的だからだろうか。)


演奏前のSOMIバンド。

こんな事をダラダラと考えてしまったのは、
セネガル大統領邸で、演奏する予定だったのに、
しかもフランス語圏の国々でテレビで生中継されていたのに、
会場にピアノやキーボードが用意されていなくて、
SOMIバンドの演奏を観客として聞いていたために、
ちょっと、というか、だいぶ寂しかったからだと思う。



美しすぎるセネガル人達と。

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