2012年11月21日水曜日

濃い3日

11/17(土)
 Vermont州のVermont Jazz Centerにて、
Louis Hayes Quartetの演奏。Louisとは、以前、
Curtis Fullerバンドで4回程演奏した事があったのだが、
彼のバンドとしては初めての仕事であった。
彼のドラム、特に右手のライドシンバルが、
私を幸福にした。
Jazzとは何であるかと、考えることがあるものだが、この時ばかりは、
『あー、そういうことだったのか!』
 と全てがクリアになった時間であった。
(この作文を読まれている方にとっては、
なんのことだか全くクリアでないかもしれないが。)

Louis Hayesと。


11/18(日)
 深夜に、車で3時間30分かけて帰宅し、
午前中に教会の仕事、その後、午後に翌日のショーのリハーサル、
そしてさらに夜はMatt Snow というベースのバンドでのライヴ。
そのバンドで、久しぶりにサックスのユイガ君と共演。
初めて会ったのは、3年程前。
まだ20歳になったかなってないかの頃、
当時自分がホストをしていた、
クレオパトラズニードルによく遊びにきてくれていた。
なんでも、最近、バークリー音楽院から学費全額の
奨学金を認められたらしいが、
まだ学校にいくのか迷っていて、とりあえず、今、
NYに住んでいるという。
久しぶりに聞いた彼、一段と凄くなっていた。
楽器が上手いどうこうといったレベルでなく、
明後日の方向にぶっ飛んで凄い感じだ。
ドラムの石若君といい、ユイガ君といい、
一体最近の若い日本人ミュージシャン界に何が起こったのだろうか?
事件だと思う。

11/19(月)
制作過程であるオリジナルミュージカルGIRL Shakes Loose Your Skin の
初めての台本読み合わせ一般公開ライヴがJoe's Pubで行われた。
(私、編曲とピアノ演奏を担当。)
今回、あまりリハーサル時間が確保できずに本番だったが、
 ブロードウェイの役者さん達の役者魂というのか、
 なんなくやり通して、大喝采であった。
今後、このプロジェクトがどのように発展していくのか
楽しみである。

キャストの集合写真。真ん中の赤い帽子の方がこのミュージカルの
創作の源になっている
詩人Sonia Sanchez











2012年11月16日金曜日

ようやく平常に。

Sandyが去って2週間が過ぎてようやく
自分の街の周りは平常に戻った感じだ。
ここ2年連続して非常に大きい嵐がNYエリアを襲った。
これから毎年の恒例行事になるのかしら。
停電に備えて、発電機買うべきかしらん。

最近の仕事写真を。

Pete Zimmer Quartet @ Dizzy's Jazz Coca-Cola, Nov.6 - Nov.10
 Somi @Park Avenue Armory, Nov.10

2012年11月3日土曜日

Sandy後その3

近所の行きつけの韓国系スーパーが已然停電で営業停止中である。
ここ最近、このスーパーで売っていた韓国製のあん饅が
我が娘の好物になってしまい、ほぼ毎日食べさせていたのだが、
ついに食べきってしまった。と同時に、かなり基本的な
食材も底をついてきた。

 車で、30分ほど離れたところにある、
この韓国系スーパーの支店は停電を免れ営業しているらしかった。
さらに車で、20分ほどにある"Whole Foods"が
開いているという情報も得た。

今、アメリカ東海岸は、例を見ない、ガソリン不足である。
停電したガソリンスタンドが多く、さらに、
港が破壊され、油そのものが
NYエリアに入ってきていないらしかった。
私の車のガソリンも無駄にはできない。
そこで近いほうの、 "Whole Foods"に向かった。

多くの交差点で信号機は壊れたままであり、通るたびに緊張する。
また多くの道が通行止めになっていた。
そして渋滞に巻き込まれた。
しばらく進むと、前にガソリンスタンドがあって、
給油のために並んだ車の渋滞であることがわかった。
並んでいる運転手のいらだちぶりを見ると、
今日か明日かで電気が復旧してくれないと
よりによっては暴動が起きてしまいそうな感じがして
ぞっとした。警察がこのガソリンスタンドを警備していたのが
印象的だった。

そうこうして”Whole Foods"に着く。

ハドソン川近くにあるこのスーパーが入っているモールの
他の店は停電で営業停止していたのだが、
ここの ”Whole Foods"だけ、
自家発電で普段と変わらない営業をしていたのだ。
新鮮な肉や魚、寿司まで販売していて私、素直に感動した。
これが真のリスクマネジメントというやつなのかと
普段あまり使ったことのない単語を発音してみた。
このスーパー、健康食が売りで、
モノはいいがお値段高めなのがネックだったのだが、
今回ばかりは、お値段高めでも、許せてしまった。
というか、こういう非常時に営業している、
さらには、携帯電話のバッテリーチャージセンターまで設けている
このお店の事が好きになってしまった。
韓国製あん饅があれば、完全に恋してしまったところだったが、
残念ながらそうはならなかった。

あと数日の辛抱、と思いたい。
仕事が週にめずらしく6本も入っていたのが
5本もキャンセルになった私のことはいい。
(一応ぼやいているが)
この日曜に予定されていてNYの代表的なイベントであった
NYマラソンも中止になったのだ。
あん饅の無い生活に慣れる事も人生なのだと
さくらに教えてあげたい。

2012年11月1日木曜日

Sandy後その2

今日、近所を運転してみたのだが、
実は、あちこちで、停電している事を知った。
ある一角は電気がついているのに、
ある一角は電気が来ていない、といった感じだった。
大木はなぎ倒されてるは、看板はふっとんでいるは、
電線は垂れ下がっているは、信号機はこわれているはで、
何事もなかった我が家の事を思い、
(昨年のStorm Ireneが来た時は
屋根が壊れて雨漏りした。)
今回は本当についていたと思い有り難い気持ちでいっぱいである。

歩いて3分ほどにある韓国系スーパーマーケットがあるエリアは
見事に停電していてその辺りのお店はすべて営業停止。
今週末までの食料は確保しているつもりだが、
いつ電気が復旧するのかわからない中、
買い出し先のあたりだけはつけておきたいところだ。

 仕事は今週(めずらしくたてこんで)火水木金日と入っていたのだが、
演奏場所はすべてマンハッタン内だったので、すでに、
火水日とキャンセルになり、明日もどうなるかわからない。
自分の事はまぁいいのだが、(それでもぼやいているが)
それにしても今回の災害の一般市民への被害の大きさは、
尋常でないと実感している。

2012年10月31日水曜日

Sandy後、

家族ともども無事でおります。
今回ばかりはほんとに運がよかったとしかいいようが
ないのですが、家は無傷、インフラも無事でした。
なんともまぁ、色々な事を体験するものです。。。。





2012年10月25日木曜日

最近のSOMIバンドライヴ映像

最近演奏したSOMIバンドのライヴ映像。



こちらは、昨年のライヴ映像。

2012年10月22日月曜日

さくら1歳。

そして、さくらが1歳になった。
まだ自力では歩かないが、最近、突然、
家の階段を這って登りきる芸当をみせ、
飼育係を驚かせた。

食事時間は、いつも格闘するが、
とりあえず、Cheeriosを与えておけば、
大人しくポリポリポリポリしてくれるので、
本当は、お米や野菜を食べさせたいのだけれど、
ずぼらな男性飼育係は、ついつい
Cheeriosを与えてしまう。
まぁ、栄養素も高いし、
それほど悪い食べ物ではないと思うのだが,
それにしてもまるで中毒患者のように
ポリポリポリポリポリポリポリポリ
食べるのである。

この一年は、新米飼育係にとっては、
実に大変な一年ではあったのだが、
よくよく考えると、今後も、ずっと
大変な労働を強いられるわけで、
またここでひとつふんどしを締め直すといいますか、
少なくとも、転んで膝の皿を割らないようにして、
がんばらないといけませぬな。


『Cheeriosもっとちょうだい!』のさくら

2012年10月15日月曜日

 Melisma

ここ数週間、Imani Uzuriさんに頼まれて、
彼女が音楽を担当しているオリジナルミュージカル
"GIRL  Shakes Loose Her Skin"
の全楽曲26曲の譜面書きをしている。

 Imaniさんは、ブラックであることを誇りに思っている感じの
ブラックアメリカンで、 ヨーロッパ人が作った
いわゆる五線譜は信用していない、というか
実際譜面はほとんど読めない。
昨年、このミュージカルの脚本読み合わせワークショップに
参加した際も、彼女は、役者さん達に、
口移しで歌を覚えさせていった。
和音は私がつけた。
今回、彼女は、どこかの財団から奨学金を得るために
この作品の譜面を提出しなくてはいけないらしく、
それで、私に譜面作成の依頼がきた。
とりあえず、歌のメロディーと歌詞とピアノの伴奏譜だけの
譜面なのだが、なかなか骨の折れる作業である。

メロディーに、いわゆるMelismaといったらいいのか、
メリスマ(メリークリスマスの略ではない。)といったらいいのか、
ゴスペルランといったらいいのか、
まぁ演歌でいうところのコブシが多分に使われていて、
それをどの程度譜面に表現すればいいのか、
頭を悩ます。

例えば、あまりいい例でないかもしれないが、
おそらく基本はラーミーレというメロディがあって、
しかし実際にはラーミー(ファーミ)ーレ
と歌われていて、しかもカッコの中の音は
高速で動いていて、その動き方もビートから少し
ずれた感じで歌われている。
これをラーミーレと表現してしまっていいものか。
もし正確に(ファーミ)の部分を譜面におこせたとしても
読む人が混乱しないか疑問である。

このあたりを、Imaniさんに聞いたところ、
アフリカンブラックが主人公のミュージカルにしても
大概、白人の作曲家が書いたメロディーを
アフリカンブラックの歌手に歌わせて、
ゴスペルランを採譜して書き直してそれを
最終的な譜面にしたりしている。
でも私は、どのようなゴスペルランをどういうメロディーに
つければいいかを知っている。
だから、細かく、ゴスペルランを指定したい、
と回答した。それと関連して、
最近の白人歌手は、意味なくゴスペルランを多用して
聞くに堪えないとこぼしていた。

というわけで、かなり細かく
メロディーを書き込まないと行けない感じで
譜面作成中である。

 その一方で、こうしたMelismaというのは、
世界のどこかしこの歌唱法にみられるわけで、
そういうのを調査研究している文献などあれば、
ちょっと読んでみたい。
 演歌にしても、どうやってあのコブシ奏法が
確立してきたのか興味深い。
それぞれの歌い回しに、何か、文化的な
暗号が隠されてはいないかとか。
(大阪のJusoさん説によれば、人間の言語は
鳥の声を真似して開発されたということならば、
歌唱法も鳥からきているのか。その土地に生息する鳥の
声を調べれば、その土地のメリスマが解読できるのかもしれない。)

とりあえずユーチューブで聞きまくったほうが早いか。

2012年10月3日水曜日

大西順子さん。

大西順子さんと言えば、
 自分が明大ジャズ研時代に、『WOW』というCDを聞いて
非常に衝撃を受け、笑っていいとものテレフォンショッキングに
出演されていたのを見て尊敬の念を抱き、

日野皓正さんから紹介された記憶がある。
大西さんが誰を紹介したのかを覚えていない。


トリオのライブも聞いてますます畏怖の念を抱いた方である。

(その時のベースが今年亡くなった嶋友行さんだったのを
覚えている。)

 一時期、活動休止されたのをNYに住み始めた頃に聞いて
どうしたものかと、心配するも、
それがまた最近復帰されて、2年程前に、
Small'sでライヴをされていたのを聞きに行った時も、
研ぎすまされた感じのいい音をだされていて
イェイと叫んだひとりである。


 まぁ、いわば、自分のアイドル的な存在の一人で
あったのだが、引退されるとのニュースを聞き、
(8月に発表されていたのを知らず、最近知って
驚いた者である。)
なんとも寂しい思いである。


自分もなんだか最近どちらかというと
主夫業の方が忙しくて、プロの演奏活動から
引退状態に近いのではないかとも
自分で心配したりもするのだが、
もうちょっと色々と頑張ってみたい。

2012年9月23日日曜日

イタイタイタイタイ

・生後11ヶ月の娘、最近、
『イタイタイタイタイ!』
と叫ぶ事が多い。

最初、どこか身体が『痛い』のかたと思ったが
そうでもないらしい。
 何か『したい』のかと思ったが、
よくわからない。
 誰かが『いた』のかとも思ったが、
はっきりしない。


・日本の両親に孫の姿を見せようと
スカイプするにしても、
娘が起きる頃は日本は夜遅い。
娘が寝る頃は日本は朝早い。
よってあまりスカイプができていない。
先日、娘が朝5時に起きた時、
えぇい、スカイプしてやれぇと
自分を奮い起こして、両親に
『今時間ある?スカイプしよう。』
と電話する。

しかし待てども待てども、コンピューター上の
両親のスカイプ口座がオンにならない。
そのうち、両親から電話がかかってきた。
『どうしてもスカイプが開かないのよ。』
結局、違うパスワードをずっと入力していた事が
判明するまで30分近く電話で両親と交信してしまい、
無料でできるはずのスカイプがなんだかえらく高くついたのだが。
もっと頻繁にスカイプしてあげないといけない。



・因みに、竹島は、
韓国からするとDokdoと英語表記するのだが、
数年前、韓国料理屋さんのテーブルに、
『We Love Dokdo』という文字が印刷された
敷き紙があったのを覚えている。
当時、Dokdoの意味する所を知らなかった私は、
自分の名前との類似性に興奮したものであった。
(”ドトールコーヒー”に興奮した私である。)

領土問題は面倒くさいので、
AKBをに見習って、毎年ジャンケン大会を開いて、
勝った国が、その年の所有権を認めるように
すればいいのではないだろうか。
こういうことを日本の首相が国連総会で提案したら、
頭がおかしいと思われるのだろうか。
 

・NYに住んでいれば大概な人となんだんかんだで
共演する機会があるものだが、先日初めて、
ギターのPeter Bernsteinと一緒に演奏した。
すばらしかったっす。
写真は、大阪のJusoさんによる
Smallsのストリーミングを切り抜き写真。
(Pete Zimmer Group @ Smalls, Sep.20, 2012)






2012年9月11日火曜日

色々な方に出会った日

2012年9月7日(金)から9日(日)に渡って、
Washington DCで、 Celebration of Scienceという、
お医者さんや医療研究者の会合があり、
そのうちの8日(土)にKennedy Centerで行われた
ショーイベントにGenes&Jazzのバンドの一員として参加した。

 Genes & Jazzというのは、
 トランペットのJacob Varmusと
彼の父親のHarrold Varmusによるコラボレーションで、
因みに、Harroldは、癌研究でノーベル賞を受賞されている方。
Harroldが、人間の遺伝子や癌の起きる仕組み等を解説する
一時間強にわたる講義をして、 その時に用いるコンピューター
グラフィクスに、Jacobが音楽をつけて生演奏するといった
プロジェクトである。
 これまで、スミソニアン博物館やボストン科学博物館で
演奏したことがあるのだが、今回は、その講義のごく
一部を紹介する形での出演となった。実際の演奏時間は
8分少々だったように思う。

 さて、このイベントに出演された方々、
実にそうそうたるメンバーで、実際に一日にして
これだけの方々とステージを共にしたことは、
これまでの人生で初めてだったように思う。
記録として、ここに私が知っていて実際に至近距離で
お会いしたというか、少しばかりお話もできた方のお名前を
列挙する。

Whoopi Goldberg ---------気さくで普通にいい方だった。
私の両親も知っているのではないだろうか。おとうさまおかあさま、
あなたの息子はウーピーと同じ州に住んでいる事をこの日に知りましたよ!

Joe Torre---------------レッドソックスファンだが、今年はイチロー加入後、
ヤンキースを応援してます、と伝えた。そうか、と答えてくれた。
それしか答えようがないわけだが。

Babyface------------拙著『ひとりで楽しく弾ける エクセレントソロピアノ』で
アレンジしたChange The Worldの作者。
(というか大プロデューサーであり、素晴らしい歌手であるのは言うまでもない。
自分の本を宣伝しているさもしい私。)
この日、この曲を熱唱してくれた。3歳くらいの娘さんを連れていらしていて、彼が演奏中、控え室のモニターを見て、『He is my Dad!!』と周囲の人に叫んでいたのが私の胸を打った。

Nancy Pelosi--------知っていた政治家。

John O'Hurley------"Seinfield"に出ていたなぁ。

Melissa Manchester------恥ずかしながら知らなかったけど、
我々の演奏後、よかった、と声をかけてくださった。

Stevie Nicks------------全然知らなかったけどショーのトリを努めたくらい偉い方なのね。


 
カメラを持っていたのに関わらず、
全く、彼らと写真を撮る事ができなかった。
Whoopiにいたっては、Genes &Jazzのバンド控え室まで
赴いて挨拶にきてくださったのにも関わらず、
写真を撮ってもいいですか?
と尋ねるのをためらってしまった私。
 日本から来ている一介のピアニスト、何も失うものは
ないはずなのに、何故か、同じショーの出演者として、
あまりプロ的な態度ではないかもという変なプライドが
自分を邪魔をしてしまった。

帰りにバンドメンバーとこの話題になって、
皆、『実は、Whoopiと写真を撮りたかったんだよなぁ。』と
口を揃えていたので、アメリカ人でも同じように
思っていたのかと思い、少々安堵した。
 一生にあるかないかの機会だったかもしれず、
撮らなかったのを後悔する気持ちもある反面、
撮らなくてよかったのだと思っている自分もいる。
でもやっぱり撮っておけばよかったかな。
いやいや、いいんだ。武士の気概だ。

Somi @The Apollo Theater March 19. 2022

 3月19日(土)にSomiのアルバムリリースショーが the Apollo Theaterで行われました。 なにしろ、スペシャルゲストに憧れの ダイアンリーヴスが歌うと前々から知らされていて、 この日の演奏に備えて、とにかくCovidにはかからないようにとか、 ロシアから核爆弾...