2016年3月17日木曜日

久保さんの長い日。

東京駅を移動中の久保さん

ジャカルタから戻り、ようやく時差ボケも
取れて来たかという3月16日の今日。
2月から続いた旅の記録を書いてみようかと。

まずは、日本編。

2月1日から11日まで、ドラムのSammy久保さんに
連れられ、日本を演奏旅行。

僕がNYに住み始めて間もない頃からの知り合いである
久保さんの、齢61にして初めてのCDリリースツアー、全9カ所。
毎晩、違うベーシストと歌手と共演する機会を頂き、
楽しい演奏旅行となった。青山Body & Soulの
ママさんによるライヴ記事がここにありました。

http://www.bodyandsoul.co.jp/2016/02/12323


今回のツアーの一番のドラマは、ツアー終了後の翌日の
渡米の日だったかもしれない、と今にして思う。

飛行機で福岡から成田そしてNYという旅程。

福岡1:05pm発の飛行機。

ホテルからタクシーでものの15分くらいで空港に到着。
日本としばしのお別れ。
おいしいお昼でもと、空港内のレストランで海鮮丼を食べた。
食後のお茶を片手にのんびりと、
今回のツアーをふりかえったり、今後の事を語ったりしたように思う。
店を出る。

時は11:30amくらいだったか。

私は、今回の日本ツアー中、レンタルしていた、WiFiルーターを
郵送返却しなくてはいけなかったので、空港内の投函ポストを探しに行った。
係員に聞いたところ、福岡空港建物を出たところにポストがあるというので、
そこに向かった。
(ところで、今回利用した、WiFiレンタル屋さんという会社の提供する
レンタルWiFiルーターは、安くて便利で、返却も同封されてあった
送料支払い済みの返信用封筒に入れてポストに入れるだけ。素晴らしいサービスだ。)
投函後、手荷物検査ゲート前に向かうと、
久保さんが、なにやら落ちつかない様子。

『どど君、テキストしたんだけどつながらないし!!』
『ルーターを、返したので、携帯つながらないですよ。』
(注:お互い、アメリカのiphone保持者。)
『 場内アナウンスまでお願いしたんだよ!聞こえなかった?!』
『ポスト、空港外にあったんですよ。どうしたんですか?』
『ギャラを入れた封筒をホテルの金庫に置き忘れたんだ!!』
『エッ!!』
『今からホテルに戻って間に合うかな?』

時は11:40amくらいだったか。
一瞬間に合う気がした。
『間に合うかもしれませんね!!』
『じゃ、行こう!!』
と久保さん、シンバルケース片手にエレベーターを降り始める。
途端、私は、冷静に考え直した。
『いやいや、やっぱり搭乗時間に間に合わないですね。
ホテルにまず電話しましょう!』
 久保さんは、半分近く下ったエレベーターを逆進して
昇ってきた。しかし、昇りきったところで、バランスを崩し、転倒。
『大丈夫ですか!!』
『大丈夫大丈夫!!電話電話!!!』
パニクるという動詞は、こういう時に使うのだと実感した。

誰もが携帯を持つ世の中になって、中々巷に
公衆電話というものがなくなっている気がしていたのだが、
空港にはあるものだ。
受話器を片手に、
『百々君、そういえばホテルの電話番号わかる??』

最終日に泊まったホテルは、九州ツアーで共演したベースの
丹羽さんが急遽用意してくださった所で、久保さんも
宿泊先のコンタクト情報を持ち合わせていなかったのだ。
私は、たまたまなのだが、このホテルの電話番号が書いてある
看板を記念に写真に収めていたのだ。

『どど君、小銭ある?』

十円玉を数枚渡す。

『あのーさきほどチェックアウトした久保と申しますが、
実は、金庫にですね。。。ガチャン。』

『どど君、電話切れちゃった。もっと小銭ある? 』

百円玉を数枚渡す。

『あのーすみません、久保と申しますが、カクカクシカジカ。。。。』

どうやら、ホテルの受付の人が、封筒を確認したらしい。

『私の知り合いが受け取りに行きますので、カクカクシカジカ。。。。』

結局、ベースの丹羽さんにホテルまで封筒を取りに行ってもらい、
銀行送金をお願いし、事は収まったのだった。

ツアーのギャラをすべてなくす、という伝説を作る寸前であった。

とりあえず、落ちついて、手荷物検査ゲートをくぐる。
はずしたベルトをはめなおして、久保さんを待つが、
なかなか、久保さんが出て来ない。
尿意を催していたた私は、とりあえず、搭乗ゲート近くにある
トイレに向かった。トイレから出た後も、久保さんの姿がない。

搭乗時間が迫ってきた。

ようやく、久保さんが現れた。すっかり憔悴されていた。

なんと、シンバルケースを手荷物として機内には持ち込めないと言われて、
再び、チェックインカウンターまで出直し、預け荷物にしてきたという。
(NYから成田に来た時は、手荷物としてシンバルケースを持ち込めたのだ。
飛行機会社によってポリシーが違うのがやっかいである。)

成田空港での待ち時間は、もっとも穏やかな時間だったかもしれない。

NYのJFK空港に到着。

入管手続きを済まし、預け荷物を受け取りに行く。
ところが、またしても、久保さんが出て来ない。
久保さんの預け荷物をすべて取り上げて、待った。
久保さんは、やはり現れなかった。

尿意を催した私は、また久保さんの荷物を
ベルトコンベアーに戻し、トイレに向かった。
トイレから出ても、已然、久保さんはいなかった。

テキストをしてみた。
すると、なんと、別室に連れてかれて、待たされているという。

さらに10分程待った。
私も疲労で我慢の限界が来てしまい、
久保さんにテキストを入れ、空港を後にした。
無慈悲な私をお許しください。

帰宅後、久保さんからテキストが来た。
『理由がよくわからないながら、ようやく釈放されました。
お疲れさまでした!』
一時間以上拘束されたのだと思う。

久保さんに、何があったのか、いまだに理由は知らない。
しかし、無事に、帰宅された。
久保さん、本当にお疲れさまでした!
この話、書いちゃいました。ごめんなさい!
ありがとうございました!!! !!

それから、今回、共演した、
Junko & 島田剛さん、
佐藤恭彦さん
中山美穂 & 山本優一郎さん
杉山千絵 & 萬恭隆さん
東かおる & 荒玉哲郎さん
西田真美、荒木眞衣子、豊島博子 & 丹羽肇さん
ありがとうございました!!!

最後に、各地で、聞きに来て下さった方々に感謝したします。

山口県ホテルサンルート徳山にて、
ベースは山本優一郎さん。中山美穂さん撮影。

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