6、7年前にSomiのバンドで一度来た事があって、
その時に演奏した同じ会場で、今回演奏した。
前回は、当日入り、翌朝出発といった慌ただしい旅程で、
何も街を見ることがなかったが、
今回は、演奏日前日に到着したので、
若干のメンフィス観光ができた。
| Beale Streatの風景 |
| Sean DIxon, Michael O'Brien & Myself at Beale Street |
到着した夜に、ダウンタウンにあるBeale Streetに行った。
100メートルほどの通りに、ライヴハウスが多く立ち並び、
一晩中、ブルース、カントリー、ロックバンドが
演奏している。
冬のため、あまり人は多くなかったが、
夏場は、歩くのに苦労するほど、通りに人があふれるらしい。
その昔、ここで、ルイアームストロング、アルバートキング、BBキングが
演奏していたらしい。
(因みにBBキングのBBは、Beale Street Blues Boyの略だと、
初めて知った私。)
| メンフィスブルースを聞く。 |
万人受けされるようなシカゴのモータウンサウンドと対比されるが、
よりブラックなソウルミュージックの生家と言われる、
Stax レコードの博物館である。
この博物館がある場所というのも、周りは、
いわゆるゲットー丸出しの住宅が並び、
いまだに白人黒人の貧富の格差というか、
白人黒人の棲み分けというか、
奴隷貿易のハブだったというメンフィスの歴史を
色々と考えさせられる環境だったのだが、
いざ、この博物館に入ると、
ソウルミュージックの発生の歴史等が展示されてあり、
要は、当時、ラジオで唯一かかっていた白人のカントリーミュージックが、
黒人達に大きく影響を与えていて、ゴスペルやブルース音楽と融合して
ソウルミュージックが生まれたといった事が説明されてあり、
しかも、Staxで録音したミュージシャンは、白人が多く参加していて、
(特にホーンセクション)、その事は、Staxレコードをユニークな
存在にさせている事のひとつらしかった。
The Mar-Keys, Otis Redding, Sam&Dave, Isaac Hays等を輩出した
Staxだが、1968年のマーチンルーサーキング牧師の暗殺以降、
人種間のテンションの高まりとともに、この会社自体も
破産へと向かってしまう。
(現在は、コンコードレコード下で復活している。)
(因みにキング牧師は、MemphisのStaxのミュージシャンも
よくたむろしていたホテルで射殺されたのだ。)
なんというか、アメリカのひとつのレコード会社の歴史だけでなく、
そこからアメリカ国の歴史が浮かび上がるような博物館で、
実に唯意義な時間となった。
ツアー最終日、私だけ、飛行機で帰ったわけなのだが、
ホテルから空港に使った、Uberドライバー が、
高齢の白人男性で、車のラジオからエルヴィスプレスリーが
かかっていた。
Stax Museumに行った事を伝えると彼は、
次回、Memphisに来ることがあったらGraceland(エルヴィスの邸宅)
に行けという。確かに、そうだ。エルヴィスはじめ、
ジョニーキャッシュ等を輩出したSun RecordsもMemphisにあったのだ。
(彼らも、Beale Streetで聞いた音楽に触発されているのだ。)
Memphisは、アメリカの音楽のメッカなのだ。
その地に、わずかな時間ながら、そのエッセンスに触れる事ができた
今回のMichelle Walkerツアーは、
個人的に大きな収穫があったように思う。
| Isaac Hayesのキャデラック。 |
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