2014年8月28日木曜日

休むことなく。

日本からこちらに戻って3週間がすぎて、
ようやく、身体もこちらの時間帯になじんで来た感じ。

Good Fellowsツアー中に読めるかと思って
JFK空港で買った、
Malcolm Gladwellの『Outliers』を
ツアー後、家に戻ってから読み始めて、
ようやく今日読み終わったのだが、
知らなかった情報が満載で
大変刺激を受けた。

この本の中で、稲作民族は、昔から
四六時中働いてきた民族で、
西洋人が長いバケーションをとるという感覚が
もともとない、という話があった。
実際、ヨーロッパの農民は、
田畑を休めなくてはいけなくて、
冬は、 クマのように、冬眠して
乗り切っていたという
話には驚いた。

それはともかく、26日連続で日本ツアーした後も
こちらに戻ってからも、
特に休みをとることもなく
仕事している私は、
やはり稲作民族の子孫として、
しょうがない性なのかと思ってしまった。

まぁ、仕事があるうちが幸せなこの商売柄、
休みがとりづらいのが本当のところかもしれませんが。

(唯一、休んでいるのは、僕の肝臓かもしれません。
ふと、思い返すと、日本ツアー中、26日間で
お酒を飲まなかった日というのが
なかった気がしてます。
どこまで続けられるかわかりませんが、
禁酒をはじめて10日が過ぎました。)


9月は、 Eric Alexander の仕事や、
Somiのレコ発ツアーが入っていて、
四六時中働けそうで、幸せです。

(おまけ)
SomiのWNYC(NYのFMラジオ局)出演時の
模様が、このサイトにアップされてます。
日本から戻ってきた翌日の収録です。
お楽しみくださいませ。
http://soundcheck.wnyc.org/story/somi-in-studio/

2014年8月17日日曜日

Good Fellows USA & JAPAN Tour の思い出 Motoi&Koba編


もとい君。

彼は、話がうまい。
理論的に話ができる。
頭のよさが、伝わる。
大学時代は(大学院時代か?)、原子力も学んでいたという。
福島の事故が起きて、どうしても、
原子力発電に対して、嫌悪感が募る世論が
強いと思うが、彼は、その事に理解を示しつつも、
今ある日本という国を持続させるには、
原子力の力を借りざるえない実情を説く。

そんな彼が、スイングしなくちゃ意味がない的な
ジャンルの音楽のベースを演奏するのだ。
科学者が物の理を突き詰めていったあげくに、
神を信じるしかないみたいな、感じではないだろうか。
2年前に初めて、出会い演奏したが、
2年たって、演奏面でも英語力でも運転力でも
進化しているのがわかった。
次に演奏できるのは、いつになるか
今のところわからないが、
その時が、楽しみだ。

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小林さん。

今年61歳のお方だ。

26日間で26本演奏したこのツアーの、演奏はもとより、
企画から、ブッキングから、アメリカ人ミュージシャンの
ビザの手配から、車の運転から、ドラムの組み立て片付けから、
何から何まで自分で手配される。
演奏後のボーリング大会でも全力でプレイされるし。
関東近県のショーの後は、私を東京郊外の実家まで
車で送ってくださった。
なんという体力なのか。

さらに、この方、偉ぶることがない。
今年、61歳ということだが、
若いメンバーと実にフラットな関係を築く。
こういう特質は、日本では珍しいタイプではないだろうか。
 だいたい こういう写真をとって、喜んでいる61歳も
なかなかいないのではないか。


 『こういうことをやってられるのも、あと5年くらいと思ってるんだ。』
等と語っておられたが、全然、信用性がない。
これからますます、盛んな感じでいかれると思わざるをえない方です。


高齢化社会を迎える日本国だが、こういう方がいる事を知ると、
何も心配はないような気持ちにさせられるのですが、
いやいや、小林さん、本当にありがとうございました!!


同じメンバーで、2年前に、21本のツアーに参加した時に、
一生分、彼らと演奏した気になったのですが、
2年後に、さらに回数が増えて26日連続で、
日本を旅するとは、想像してなかったので、
いざ、旅を終えてみて、なんというか、
人生2回生きた気がしてます。

 2014年Good Fellows USA&JAPAN ツアー思い出編、
これにて終わります。 

ツアー応援していただいた方々に、心より感謝いたします。


(那須烏山市石の蔵での演奏のビデオを発見!)

2014年8月13日水曜日

Good Fellows USA & JAPAN Tour の思い出  涙編


Vincentは、ぶっちゃけ、気難しいタイプの人だ。
妥協を許さない、妙に頑固のところがあるし、
超博学で、政治論議を愛し、
相手を論破する事に長けている。
移動中は、外の景色を見る事なく、
常にラップトップで映画を見まくり、
演奏時間以外は、ホテルに籠りっぱなしだ。
Ericに聞けば、これは、ヨーロッパツアーでも
アメリカ国内のツアーでも同じという。
若い頃からツアー漬けで、もはや、
旅自体の興味を失ってしまったのだろうか。

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都内近郊のライヴには、欠かさず来られた、
元アルファレコードの方がいた。
彼は、その昔、VincentやEricのレコード制作に
携わっていたそうで、彼らにとっては、
顔なじみの方なのである。

8月2日、東京公演最終日。

彼は、会場の控え室で、Vincentに、プレゼントを渡した。
Vincentが吹くアルトサックスとほぼ同年代の
アンティークの腕時計と、説明していた。

私は、たまたまその場に居合わせたのだが、
Vincentは、その時計を手にして、うっと泣いたのである。
私は、何か、いけないものを見てしまったかのように思った。
『すまん。ちょっと感傷的になってしまって。』
と弁解していたが、Vincentの知らなかった一面を
覗いた気がしたものだ。

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Ericは、超お調子者だ。
彼がいることで、26日という長いツアーも
毎日明るく乗りこなせたような気がする。

酒好き、マラソン好き、ボーリング好き、
カーペンターズ好き、日本人好き。
時間に若干ルーズ。
ホテルのキーや切符類をすぐなくす。
辛いラーメンばかり食べて、必ず腹をこわして、
『もう俺に絶対ラーメンを食べさせないでくれ!』
と日本人組に毎日頼みこむ。 誰も、食べろと言ってないし。。

明るくかつ憎めない破天荒な方である。

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8月3日ツアー最終日。

Vincentは早々に部屋に戻った後、
成田空港近くのホテルのバーで、最後のバンド打ち上げ。
彼らは、翌日から韓国に1週間ほどのツアー。
Ericは、さらにその後にフランスで演奏予定が続いていた。
因みに、8月4日は、Ericの誕生日であった。
金森もとい君が、気を利かして、バーテンの人に、
こっそり、12時になったら、Happy Birthday Songを
BGMでかけてくれるようにお願いしていた。

12時になり、スティービーワンダーの”Happy Birthday "が
流れた。

Ericが、スピーチを始めた。
多少ぼやきが入っていた。
『今日は、 誕生日だというのに、妻からも子供からも
誕生日おめでとうの電話もない。』
『俺の父親は、割と厳格なタイプで、あまり、ハグをしたもらった事がない。』
『でも俺は、自分の子供達には、しっかりハグをして、お前らの事を
愛しているっていうことをわからせてあげるんだ。』
『Dodoも、家に戻ったら、娘にしっかりとハグしてやれ。』
『俺は、旅ばかりして、家をあける事が多いし、本当に寂しくなることが
あるんだ。』
『家族が、一番大切なものなんだ。』
あげくに泣きはじめたのだ。

僕が、
『毎日元気で、ロボットかと思ってたけど、
Eric Alexanderにも人間ぽいところがあったんだね。』
とからかうと、
『この事は、公言しないでくれ。』
と釘をさされた。
が、ごめんなさい、書きました。

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Ericに、今回、ツアー中に、
Vincentが泣いたのを見た事を話すと、
『Vincentは、ほんとは、涙もろい人で、
昨年, NYでライヴで共演した時、
彼の息子が、就職した話をMCでしだして、
あげくに、お客さんの前で、泣き出して、
俺もたまらず泣いたよ。』
とのこと。

私も、今回、何度かSkypeで、
NJ宅に残した妻と娘と交信したのだが、
交信始めの楽しさと、交信終わりの寂しさを
味わった。

世界各地で演奏している彼らの、家族愛の重さは
いかばかりか、思い知らされた日本ツアーであった。
 

2014年8月12日火曜日

Good Fellows USA & JAPAN Tour の思い出  体重編

特に、日本ツアー後は、太る。
基本的に総合的に日本のご飯が上手い。
食べ放題のバイキング形式のホテルの朝食の食べ過ぎ。
演奏後の打ち上げの遅い時間の食事と酒。
長時間の車移動。
痩せる要素がないのだ。

2年前は、膝の皿骨折リハビリ間もない頃で、
運動どころではなかったこともあり、
2kg太った。

今年は、ツアー中、なるべく走ろうと心に決めていた。
どうせ、時差ボケで、早く起きる。
その時間に走って汗をながして、体重維持を図ろうと思っていた。

帰国翌日、早速、実家の周りをほど5km走った。
気分がよかった。
静岡で走った。芦屋で走った。博多で走った。
好調だった。

ところが、走る事に関して、さらに上を行く、
Eric Alexander(フルマラソンで3時間を切れるらしい。)が、
この事を嗅ぎ付け、一緒に走ろう、ということになった。
彼は、長年の日本ツアー暦の功で、
各地各地で、 彼独自のマラソンコースがあるのだ。

松山の日。
『ここをまっすぐいくと、小さい山があってそこに
どでかいブッダがあるんだ。そこを登って松山市内を見渡して、戻ってこよう。』

Eric Alexanderと一緒に走る、なんて事に
多少、高揚していた面は否めない。
調子にのって、ついて走ったのだが、
自分が今まで走った事のない距離を走った上に
山上りが加わり、息はたえだえ、足がこわばる感じになった。
どでかい仏像を見たには見たが、下山後、やむを得ず、
タクシーを拾って、ホテルまで戻った。
(Ericは、ひょうひょうとホテルまで走って戻った。)
12Kmは走ったのだ。

ただ、この日を境に、私の耐久レベルが飛躍的に向上した感じがする。

出雲、那須は、ひとりで軽めに走ったのだが、その後、
Ericと田沢湖で、今回のエピックとなる20Km田沢湖周回ランをしたのである。
信じられない程に、翌日筋肉痛もなかったのだ。

一日おいて、盛岡で早朝にひとりで走った後、
移動した福島で、阿武隈川沿いを10Km程,
Ericと走ったのが私のツアー中最後のランとなってしまった。
 無理がたたったとしかいいようがない。
右膝の関節が痛みだし、
ツアー最後の1週間は、走るのを控えた。

(ツアー最後の1週間は、何故か、ボーリングブームが、
バンド内で起こり、毎晩、演奏後に、各地のボーリング場に赴き、
ボーリングセッションをした。
ボールを投げる時に踏ん張る左足の裏のつけね辺りが、つったり、
痛めた右膝の関節がうずいたり、歩くのも困難という日もあった。)

走ると、腹が減るのである。
早朝に走り、ホテルの食べ放題の朝食を食べる。
食べる量も増えていったのである。
ツアー最後の1週間は、走らずに食べるものは食べたのだ。
さらに、ツアー大詰めという盛り上がり感がでて、酒量も増えたのだ。
加齢による新陳代謝の悪化も否めない。

ツアー後、体重が2Kg増えていたことに、
失望の念を隠せないのである。
ツアーの思い出。重いで。。。失礼。

(膝の関節痛は、もう消えて、NJに戻ってから
走りはじめてますが。)


おまけ:田沢湖Soundsgoodにて、Carpentersに出会うのビデオ

2014年8月11日月曜日

Good Fellows USA & JAPAN Tour の思い出  曲目編


26日で26本のライヴをした
小林陽一さんのGood Fellows USA & JAPAN 日本ツアー。
(小林陽一Drums, 金森もといbass, 百々徹piano,
Vincent Herring-Alto Sax, Eric Alexander-ten sax)
思い出を少々。

<曲目>


今回のツアーの演奏プログラムの中心は、
昨年、亡くなったCedar Waltonと
今年亡くなった、Horace Silver の曲集だった。
Vincent Herringは、Cedarのバンドに20年近く在籍していたし、
Vincentや、Eric Alexanderも Horaceのバンドで演奏歴がある。
追悼ライヴの色合いが濃かった演目であった。

Cedarの曲というのは、見事なもので、
『Simple Pleasure』という、今回初めて覚えた曲等は、
テーマを演奏し終わった時に、各地で毎回といっていいほど、
拍手が来るのだ。こういう事は、
大概、ソロ後に、拍手が来るJazzという音楽形態では
実に珍しい現象のように思われ、 Cedarの作曲の才に
いまさらながら感服する。

秋田Cat Walkにてピアノソロ中の私。

今回のツアー中、何度か、ピアノソロコーナーを
いただく日があった。こういう機会もあまりないので、
できる限り楽しませていただいた。
あまり、人前でソロで弾けるレパートリーは多くないのだが、
The Nearness of You, Body & Soul,
Nightingale Sings in Berkeley Square等を
弾いたのだが、 かつて平麻実子さんとのCD『and it begins』で、
弾いていたものを、さらに発展させた形の
”All Of Me”は、我ながら、ヒット作になったのではないかと
密かに思っている。ということをことに書いているから
密かではないのだが。


ツアーの中盤あたりに、Ericが、高速道路の
サービスエリアでCarpentersのベスト盤CDを
たまたま購入したのだが、これに彼がはまり、
移動中、何度となく、このCDを、大音量で聞くことになった。
(何故、アメリカ人は、音楽を大音量で聞きたがるのだろう?)

大概、車から大音量で流れてくる音楽というのは、
えげつない歌詞の過剰な低音ビートが効いたHipHopもの
だったりするものだが、
Toyotaのファミリーワゴンカー、小林陽一号からは、
奇麗な声、美しいメロディー、平和な歌詞満載のCarpentersが
ガンガンに流れていたのである。

『Karenは、Ellaよりもいいシンガーだ。』
とまで言い切ったEricは、
”We've  only just begun” (邦題:愛のプレリュード)
を演奏したいと言い出し、
ツアー後半から、バンドのレパートリーになった。
(つられて、私もCarpentersの日本公演のYoutube映像を
旅先でこっそり見たのだが、『Sing』を日本の少年少女合唱団と
日本語詩で歌ってたりして、なんとも素敵であった。)

 というわけで、今年1月にライヴ録音した
『Live at Smoke』CD発売記念ツアーと銘打ちながらも
CDに収録されてある曲は、ほとんど
演奏しなかったツアーだったのである。

Somi: The Lagos Music Salon






8月5日にアメリカで発売されたのですが、
iTunes Jazz Chart
Amazon Vocal Jazz Chartで
堂々の1位を記録したようです。
どんどん売れたらいいなと、謙虚に思います。

2014年8月10日日曜日

NJに戻って

激しい日本ツアー後、アメリカに戻ってから
充実したショーに参加。

8月6日(水)
午後に、SOMIのWNYCのラジオ出演もありました。
その後、Cutting RoomにてSOMIのCD発売記念ライヴが
Cutting Roomでありました。
演奏前のお祈り中、SOMIが、感極まって、涙ぐんだりして、
私も、ぐっときてしまいました。万感胸に迫るといったやつでしょうか。
会場はおよそ300人くらいが集まって、盛り上がりました。
この勢いで、売れてほしいと、謙虚に思う次第。



8月7日(木)
午前11時から夜の9時まで爆睡。
夜中、眠りこけている私のところに、
さくらが、『コケコッコー!』と来て、
思わず、笑い起き。
その後夜12時から6時くらいまで爆睡。

8月8日(金)
ジョギング。
日本ツアー中に 田沢湖1周した以降、
身体の耐久力が飛躍的にアップしたのか、
今まで走っていた距離では、身体が満足しなくなって
いるのがわかる。ペースはゆっくりながら、
10Kは走れてしまった。
この日の夜は、コネチカット州にある
Sidedoorというクラブで,
Michelle Walkerのライヴで演奏。
渋滞で、普段なら1時間40分くらいで行けるところが、
4時間運転して、会場入り。
Matt Wilsonがドラムだった。(初共演。)
帰りは眠気がすごかったが、
ポテチをつまみながら眠気に打ち勝ち家路につく。


8月9日(土)
電車でメリーランド州へ。AFRIFESTというフェスティバルに
SOMIバンドで演奏。

8月10日(日)
朝4時に目覚め、ホテルのジムで汗を流し、
朝食を食べ、電車に乗って家路に。
今晩は、およそ1ヶ月ぶりに、Sleep No Moreにて
演奏。まさにSleeo No Moreなポスト日本ツアーである。

2014年8月5日火曜日

Good Fellows USA & JAPAN Tour その5

ツアー無事に終了しました。

新宿、東大和、静岡、芦屋、下関、博多、松山、出雲、 
広島、浜松、入間、那須、田沢湖、秋田、盛岡、
福島、森下、結城、日高、目黒、伊勢崎、赤坂、甲府、
武蔵野、川越、成田。

漢字いっぱい、胸いっぱいです。

応援していただいた方々へ、
ありがとうございました!!!!

NJに戻った後に、ツアー後記をまとめたい所存。

とりいそぎ、写真をば。


 川村竜&佐藤竹膳@結城市

 井上祐一、大田剣、中島あきは、山田譲、熊谷やすまさ、岡まこと@赤坂


 Eric, Toru, Yoichi, Motoi & VIncent @武蔵野市

Somi @The Apollo Theater March 19. 2022

 3月19日(土)にSomiのアルバムリリースショーが the Apollo Theaterで行われました。 なにしろ、スペシャルゲストに憧れの ダイアンリーヴスが歌うと前々から知らされていて、 この日の演奏に備えて、とにかくCovidにはかからないようにとか、 ロシアから核爆弾...