2010年5月10日月曜日

黒人社会の観察。

1)先日、Somiが、ブルックリンにあるとある
公立高校の課外授業の講師をするので、
そのピアノ伴奏に付いて行った。


この高校、歌手や演劇やらアート系を
目指す生徒が多いらしい。
見た所、生徒は黒人のみ。学校のある地域が
黒人が多く住む地域だから、
生徒も黒人ということなのか。


20人程の生徒を前に、
1時間30分ほど行なわれた授業内容は、
自分を客観的に見る訓練とか、
何を表現するべきなのかとか、
アーティストになるのに求められる素養の事を、
Somiが語り生徒と討論する、といった感じ。


Somiが数曲歌った後、
授業に参加してる生徒の中で、
歌手を目指す子達に、
何か歌ってみて、と促した。


女性3、4人、
歌手を目指している子達がいたのだが、
皆、恥ずかしがって、
なかなか前に出て来ないのである。


ある子は、
『歌う時の顔の表情を見られたくないので、
後ろ向いて歌っていいですか?」
といって、背中を向けて、歌ったり。


ある子は、
歌った後、Somiに褒められて、
感極まって泣き出したり。


なんて皆、純粋でシャイなんだろうと、
ある意味ショックを受けたあたくし。


クレオパトラでのジャムセッションの仕切りで、
歌わせなきゃ殺すわよ、みたいな
歌いたがりのアメリカ人歌手を何万と見てきたせいなのか、
この光景に、正直、驚きを隠せなかった。
少なくとも、彼らも高校までは、
こんなに恥ずかしがり屋さんだったのかしら。


2)昨年からピアノ伴奏の仕事をさせていただいている
ブロンクスの黒人教会のメンバーの、
あるお母さんに頼まれて、10歳になる娘さんに、
礼拝が始まる前の30分ほど、ピアノを教えているのだが、
残念ながらこの子、全くピアノに興味を示さない。
僕の教え方がいけないのかもしれないが、
やる気がない子に教えるのは非常につらい。


ある日、何か歌ってみて、と促したら、
なんでも学校の授業で作った歌、というのを
披露してくれた。


これが実に上手いのだ。


なんとなくコードをつけて伴奏してあげたら、
ピアノ椅子から立ち上がり、ピアノの前で
振り付きで、10分間くらい歌い狂っていた。
目が爛々と輝き、トランスしたかの感じで、
歌ってくれたのである、


礼拝後、この子のお母さんに
『歌をやらせた方がいいと思うのですけど。』
と告げると、
『歌で食べていくのは大変だからね、何か、
楽器が出来た方がいいと思ってるのですがねぇ。』
まぁ、楽器で食べて行くのも大変なんですけどねぇ。
というわけで最近のピアノレッスンは、
もっぱら、この子を歌わせている。


3)この、お世話になっている教会だが、
黒人が集まる教会である。そこに先週、ある
中年白人男性が参列したのである。詳しくは
よくわからないが、昔、この教会の関係者と
親しくしていて、久しぶりに訪問したらしいのだ。


礼拝前のピアノレッスン中、生徒が、
『今度、42丁目にある劇場で、歌の発表会があって、
歌うんだけど、お客さんは、That Peopleばかりで、
私ひとり黒人で、恥ずかしい。』
とその白人男性を指差して言ったのだ。


その後、
『別に人種差別じゃないけど。』
と10歳の黒人の女の子が言うのである。


ひとりアジア人でこの教会でピアノ伴奏してる百々徹の
身にもなっておくれよ、と言いたいところだったが、
とりあえず、
『そんな風に思うことはないよ。
君は君としてしっかりしていればいいんだから。』
と言ってみたのだが。

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