2012年8月14日火曜日

日本ツアーでの思い出 その3(まだ続きそう。)

 毎晩、沢山酒を飲んで、翌朝ジョギングするのを日課にし、
移動中は絶えず馬鹿話に花をさかせる。
日本通でもあり、覚えた日本語で歌詞を作って
いつかヒットさせたい野望を持っている。

クールで神経質、僕が思っていた勝手な印象をことごとく
覆してくれたのが、Eric Alexanderであった。

青森五所川原では、酔った勢いで、演奏後、
彼と金森もとい君とで、チューハイを片手に、
コンビニで買った花火を楽しむ等とは、
ジャズ音楽を志した頃の私には、
とても考えられなかった事態であった。


軽井沢のジャズフェスの演奏後、
新幹線で東京まで戻った。
自由席券であったので、バンドメンバー皆
空いている席にバラバラに座った。
 私は、Ericの座った列の後ろに座った。
疲労で東京まで眠っていきたかったのであるが、
Ericと彼の隣に座っていた若い女性客2人との会話が
耳に入ってきて、どうにも寝れなかった。

まず、車内販売員が来た時に、
『ナニカノミマスカ? I buy.』
と彼女達に飲み物をおごるEric。

(おっ、アクションを起こしたのね。)

『What's your job?』
『We work for ANA. 』

(ステュワーデスさんなのかしら?)

『ワタシハEric Alexanderデス。
アナタノスマフォデGoggleシテクダサイ.』

(よくそういう厚かましいお願いができるなぁ。)

『へー、サックス奏者なんだぁ。CDもたくさん出てるのねぇ。』

(普通は知らないよなぁ。)

『リョーコシッテマスカ?』
『リョーコ?』

3列ほど前に座っている小林陽一さんに大声で、
『Hey Koba! What's Ryoko's family name?』
 『MORIYAMA』
『Right, Look at this photo.』

(能登のジャズフェスの打ち上げで撮った
森山良子さんとの写真を見せてるのかしら?)

 『森山良子さんだ!』
『へー、すごい。』

(ここでようやく食いついてきたみたい。)

『私、直太朗好きなんだ。』
『直太朗いいよね。』

(結局、Ericより直太朗が一番?』

これにもめげず、彼女達が下車する上野駅まで、
Ericはひたすら自己アピールを続けていた。

東京駅到着。
Eric、新幹線改札口出口手前で立ち往生。
 
『Koba。本当に俺に切符くれたっけ。』
ズボンのポケットを探す。
  『俺は、なくすはずはないのだが。』
 カバンを開けて探す。
『おかしいな、どこにもない。』

結局、小林さんが駅員に話をつけて
事なきを得た。

人となりは、まったくイメージだけで
とらえてはいけない、と思う。

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